「管理薬剤師、引き受けるべき?」悩み続けた私が決断したタイミング

「管理薬剤師って、やっぱりやるべきなのかな…?」

薬剤師として経験を積んでくると、そんな風に考える瞬間が増えてきますよね。

私自身も、何度も何度も悩んできました。

引き受けたこともあるし、「もう無理!」と思ったこともあります。

今回は、そんな私の管理薬剤師としてのリアルな体験談をお話ししながら、
「やるべきかどうか」のヒントをお届けしたいと思います。

目次

最初の管理薬剤師は28歳。勢いで引き受けたあの頃

初めて管理薬剤師を引き受けたのは、28歳のとき。

社会人5年目くらいで、そろそろ一歩踏み出してもいいかな…という気持ちもありました。

配属されたのは、一人薬剤師体制の店舗。
事務さんは2名いましたが、薬剤師は私ひとり。

最初は「大丈夫かな…」という不安もありましたが、
若さと勢いも手伝って、チャレンジすることにしました。

気づけば、”当然のように”任されるように

30代に入ると、気づけば「人手が足りないからお願いできる?」という感じで、ごく自然に打診されるようになりました。

独身で一人暮らし、フルタイム勤務。
正直「断る理由がない」と思って、ほとんどの打診を引き受けてきました。

でも心のどこかで、
「本当はもっとちゃんと考えて引き受けるべきだったのかも」と思うこともありました。

管理薬剤師の良いところ

管理薬剤師には、大変なことが多いぶん、やってよかったと思える瞬間もあります。

たとえば、店舗のやり方を自分の裁量で改善できるのは大きなメリットです。

勤務薬剤師だったころは、「このやり方、明らかに非効率だな」とか「これってルール違反じゃない?」
と思っても意見が通りにくかったのが、

管理薬剤師になると、スタッフや上司と相談しながら、非効率なやり方や法令にそぐわないルールを自分の裁量で変えやすくなりました。

また、薬剤師会への加入(会社負担)や月数万円の手当など、待遇面でのプラスもあります。

そして、処方元の医師やケアマネージャーなど、医療・介護の関係者と”店舗責任者”として関わる中で、信頼や感謝の言葉をもらえたとき

「やっていていて良かったな」と思えることが多々ありました。

そして、ぶつかる”重すぎる現実”

 

感謝されることがある一方で、

「それでもやっぱり大変だったな」と思うことの方が多かった、というのが正直なところです。

 店舗責任者として、医師やコメディカル、ケアマネージャーなどと日々の相談対応や情報共有など、
”調整”に費やす時間と気力も相当でした。

調整役としての責務を果たしながら、日々の外来・在宅業務に加えて、

  • 行政に提出する書類作成や申請対応
  • 本部への報告
  • 保健所や薬剤師会への対応
  • 電子機器(レセコン・薬歴ソフトなど)の修理や入れ替え対応
  • 採用面接など人事的な業務
  • クレームや調剤過誤などの患者対応 など…

 
大手か中小によって役割は多少違えど、基本的に“なんでも屋”状態でした。

さらに、スタッフの人事評価やシフト調整、本部からの指示を現場スタッフに伝える“板挟み役”になることもよくありました。

「また変更?」「これ、現場のこと分かってないですよね」と不満をぶつけられることも。
現場の気持ちをくみ取りつつ、上からの意向も伝えないといけない。
クッション役、仲介役…精神的な負荷も少なくありませんでした。

残業や休日出勤が当たり前になり、正直、手当と責任の重さが見合っていないと感じることも多かったです。

「やるかやらないか」って、自分の気持ちだけではきめられない

ここで少し、現実的な話をします。

管理薬剤師って、自分の意志だけで「やりたい」「やりたくない」で済むものじゃないんですよね。

特に、人手不足の小規模店舗にいると、
「他にできる人がいないから…」と任されることはよくある話。

年齢や経験が上になってくると、自然と”次はあなたでしょ”という流れになるし、若くて社歴が浅い人に押し付けるわけにもいかない。

つまり、避けたくても避けられない状況って、現場にはあると思っています。

でも、転職なら”自分の希望”で選べる

それでも、転職を考えているなら話は別です。

  • やりがいを見いだし、手当をもらって管理薬剤師をやる
  • 勤務薬剤師としてゆるやかに働く

どちらを選ぶかは、自分の希望で決められます。

募集要項をよく見れば、どんな人材を求めているかはちゃんと書いてある。

希望の働き方をハッキリさせておけば、ミスマッチも避けられるはずです。

私の答え:やってよかった。でも、続けようとは思わなかった

私一個人の感想ですが、管理薬剤師って本当に大変でした。

でも、店舗責任者として問題解決や調整を重ねるなかで、
「働きやすくなった」とスタッフに言われたときは、心からやってよかったと思いました。

管理を経験したことで、店舗全体を俯瞰で見る視点も身についたし、書類や申請の仕組みや責任の所在など、知らなかったことをたくさん学ぶことができました。

それに、転職の時も「管理薬剤師の経験がある」というだけで評価されることが多かったです。

年齢やスキルの証明にもなり、「責任ある立場を経験している人」として見てもらえる機会が確実に増えました。

でも、40代になってから、ふと思ったんです。

「これ、あと15年、20年続けていけるかな?」

若いころは経験が財産だと思えたけど、今は、自分の時間も大切にしたい。

仕事がすべてじゃない。
もっと自分の人生に時間を使いたいと思ったから、私は管理薬剤師をやらない道を選びました。

管理薬剤師、引き受けるべき?

一度はやってみるのもいいと思います!

得られることも多いし、確実に成長できます。

でも、ずっと続ける必要はありません
ましてや、「やらなきゃダメ」なんてこともありません。

自分の価値観、自分の優先順位をちゃんと見つめて、その上で選んだ道なら、どっちでも大正解だと思います。

今この瞬間、「どう働きたいか」を大切にしてくださいね。

大事なのは、「誰かの期待」じゃなくて、「自分が納得できる選択」をすること。
それさえ忘れなければ、どんな道だって胸を張って歩けます。

🔗 転職を考えたときに知っておきたい「40代・50代薬剤師の転職が難しい理由と乗り越える視点」についてはこちらから読めます!

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