40代・50代薬剤師の転職はなぜ難しい? “無理じゃない”ために必要な視点とは

「この年齢で、まだ転職なんてできるんだろうか…」
私自身、40代で転職を考えたときに、まずそう思いました。

求人はたくさんあるように見えても、いざ応募しようとすると
「自分にあう職場が見つからない」「年齢で落とされるのでは?」と、不安が頭をよぎります。

実際、私が30代だった十数年前に転職活動をしたときと比べても、薬局薬剤師の求人は明らかに減っていると感じます。
2024年秋に転職活動をした際、エージェントの担当者からも
「今は若い方でも選べる求人の幅がせまくなっています」と言われました。

つまり、20代・30代でも厳しい今、40代・50代にとっては“求人の選択肢が減る要因が二重”になっているというのが現実です。

でも、それは“年齢”だけが原因ではありません。
大切なのは、「採用側が何を見て、どんな人を求めているのか?」という視点を持つこと。

この記事では、40代・50代の薬剤師が転職を考えるときにぶつかりやすい壁と、それをどう乗り越えるかーーー
私自身の経験を交えながら、実践的なヒントをお伝えします。


目次

求人はあるけど “あう” 求人が少ない

求人サイトを見ると、一見たくさんの求人があります。
でも、実際に応募できそうな案件が少ないと感じたことはありませんか?

私たち世代に多いのが、「条件や雰囲気はよさそうなのに、年齢がネックで通過しない」パターン。
それは、企業側が「若手を求めている求人」に、無理に当てはまろうとしているからかもしれません。

大手では「若手を育てたい」という採用方針が多く、40代・50代にはそもそも門戸がせまいこともあります。
一方で、「即戦力で店舗を任せられる人材」を探している薬局もあるのです。

実際、私が働いている薬局では
「20代と50〜60代が多く、ちょうど中間層がほしい」というニーズがあり、まさにその条件に当てはまった私はスムーズに内定をいただけました。

つまり、求人を見るときは
「どんな人材を求めている会社か?」を見極めることが大切です。


求人が減った背景も押さえておこう

薬剤師の求人が全体的に減っている背景には、いくつかの要因があります。

  • 薬学部の増加により薬剤師が飽和し、“売り手市場”が終わった
  • 地域支援体制加算やかかりつけ薬剤師の導入など、調剤報酬の改定をきっかけに「地域に根ざして長く働ける人材」が求められるようになった
  • コロナ禍による長期処方や処方箋枚数の減少により収益が悪化し、人員を絞る動きが強まった

その結果、薬局側が「とりあえず募集をかけて回す」スタイルから、
「人を絞って長く働いてもらう」スタイルへと変化しているのです。


採用側が気にしている “5つの不安”

40代・50代の転職が難しいと感じるのは、年齢そのものよりも、
採用側が抱く不安に気づきにくいからかもしれません。

そこでこの記事では、面接で見られやすい5つの不安ポイントと、その伝え方をまとめました。

① 年下の上司・若手との関係性

「経験がある分、扱いづらいのでは?」と思われやすい。

→「若手薬剤師や事務スタッフの指示も素直に受け入れます」と、柔軟さをアピール

② 定着してくれるかどうか

「またすぐ辞めてしまうのでは?」という懸念。

→「定年まで腰を据えて働きたいです」と、長期勤務の意思を明確に

③ 健康状態は大丈夫か?

「長時間勤務に耐えられるのか?」が気になる。

→「体力には自信があり、健康管理にも気をつけています」と安心感を伝える

④ IT・システムに対応できるか?

「新しい機器やシステムに抵抗がありそう」と思われやすい。

→「新しいことも積極的に学んでいます」と、前向きな姿勢を伝える

⑤ 求める条件が高すぎないか?

「高待遇だけ求めて責任は避けたいタイプかも…」と警戒される。

→「職場の雰囲気や人間関係を重視しています」と、価値観を伝える


“乗り越える視点”で選び方を変える

転職が難しく感じるときこそ、大切なのは
「何を重視して転職するか」を明確にすること。

  • 柔軟性と協調性を行動で見せる
  • “定着志向”をしっかり伝える
  • 苦手分野も「学ぶ姿勢」でカバーする
  • 「採用されるか」だけでなく「自分が選ぶか」の目線も持つ
  • 条件は8割あえばOK、と割り切る柔軟さを持つ

こうした視点を持つことで、少しずつ希望の職場に近づいていけます。


まとめ:転職は “整えるための選択”

40代・50代の転職は、たしかに簡単ではありません。
でもそれは「もう無理だから」ではなく、
“選び方”が変わるから難しく感じるのだと思います。

これまでのキャリアを否定するのではなく、
これからの自分に合った働き方へと整えていくための選択

それが、私の考える“転職”の本質です。

「このままでいいのかな」と感じたときが、変化のチャンス。
迷いながらでも、一歩ずつ。

あなたの働き方が、もっとあなたらしく、納得できるものになりますように。

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